NEXPATの商標出願(九州・福岡県福岡市早良区百道浜)

 NEXPATの商標出願の特徴は、出願前の検討が充実していることです。


 弊所弁理士羽立章二(弟)が出願した「はだて」(商願2009−58178)の商標出願(注:商標登録第5289476号)を例にして、説明します。
 これは、元の事務所名「はだて特許事務所」に使っていた、苗字をひらがなで記したものです。


 商標出願を行うためには、営業に使用するマークと、使用する範囲(指定商品・指定役務)を決めます。

 NEXPATでは、基本的に、出願予定の段階で打ち合わせを行い、事業活動と関連して、使用状況などを確認させていただきます。

 例えば、「はだて」の商標出願では、マークは、ひらがなの「はだて」です。
 そのため、標準文字という形で商標出願することとしました。

 また、このマークは、弁理士として活動する場合に使用するものです。
 そのため、指定商品・指定役務は、産業財産権に関連するものとしました。

 

 ここで、指定商品・指定役務について簡単に説明します。

 まず、特許庁のHPには、特許電子図書館(IPDL)があります。ご存知の方も多いと思いますが、そこでは、下記URLで商標検索ができます。
http://www.ipdl.inpit.go.jp/Syouhyou/syouhyou.htm

 また、下記URLにもありますように、類似商品・役務審査基準(国際分類第9版対応)にも示されていますように、45の区分(類)に分かれて、各区分(類)には、例示列挙形式で、商品・役務が掲載されています。
 各商品・役務には類似群コードという特許庁が付与したコードが付けらています。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/ruiji_kijun9.htm

 このような基準や過去の前例等を検討しながら、出願して権利化する必要がある商品・サービスの記載内容を検討して定めていく必要があります。
 この定めていく作業が重要な理由は、商標権の権利範囲がマークと指定商品・指定役務との双方から定まるからです。

 当事務所は、新規事業や新規創業に取り組まれる方をサポートさせて頂くことも多く、その経験からしてもその重要性を認識しております。そのため、適宜、所内ディスカッションやクライアント・特許庁との確認を行っています。特に、過去に例が無いような新商品・新サービスはもちろんのこと、当事務所が得意とするインターネットを利用するサービス分野などでもそのサービス提供形態が普及技術の変化に伴い刻々と変わっていく面もあることから技術的な理解が前提になることもございますが、何よりも、ビジネスモデルを理解しつつ、どのようなお金の流れになっているのかを把握することに努めています。

 
 そして、NEXPATは、マークと指定商品・指定役務が決まった段階で、簡易調査を行います。
 この調査では、類似する登録商標(商標法4条1項11号)を調べるだけでなく、商標の前提となる識別力(3条)という基本的ですがとても大切な判断の他、公序良俗(4条1項7号)など、他の拒絶理由についても検討を行い、連絡します。なお、商標の類似判断は、商号の場合と異なる感覚が必要ですので、審査基準、審決、判決といったものから判断していく必要があります。

(出願準備のための打ち合わせや簡易調査の費用は、弊所にて商標出願が行われた場合には、基本的に商標出願費用に含めて実質的に無料とさせていただいています。
一方、商標出願をしなかった場合(例えば既に登録されているマークだった場合など)は、簡易調査費用として、26,250円〜/件となります。)


 例えば、「はだて」の出願では、羽立章二(弟)が出願人です。

 マークの識別力の点では、ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示するものである旨の拒絶理由(3条1項4号)についての検討を要します。

 しかし、検索してみると苗字として「ありふれた」とはいえず、反論できる可能性が高いと考えられました。

 また、識別力があることを前提に判断される拒絶理由のうち、他人の氏名を含む商標である旨の拒絶理由(4条1項8号)についての検討を要します。

 しかし、ここでの「氏名」は、フルネームを意味します。つまり、氏または名のいずれか一方の場合は適用されませんので、本号の拒絶理由にも該当しません。

 この他、既登録商標の検討をふまえ、安心して出願することができました(無事に登録されました)。

 


 NEXPATでは、このような検討を行い、クライアント様に連絡をいたします。 クライアント様には、この検討結果を踏まえ、商標出願を行うか否かの決断を行うことができます。

 NEXPATでは、出願前の打ち合わせを充実することにより、活用しやすい権利化を目指し、さらに、権利化の可能性を高めるように努めています。

 ここで、「活用しやすい権利化」としましたのは、自社の使用によるブランド戦略のためということはだけでなく必要に応じて他社への権利行使やライセンス戦略のためのものという意味合いがありますが、「権利化の可能性を高める」出願を行うという点についても、商標の場合には、下記のように大きな意味があります。

 すなわち、出願して権利化することに消極的であると、まず考えられるものとして、商標の権利化においては特許などと異なり新しさは登録要件としては要求されませんので、商品・サービスを展開した後などに、他社が権利を保有してしまって攻撃を受けるリスクが潜在的に常に残ってしまう可能性があります。

 その一方で、自社が使用しようとする商標と類似と判断される可能性を秘めた他社の先願先登録商標があることを調査により把握できていれば、拒絶理由が来ても反論できる余地があるのか、その他社の権利を無くすことができる可能性があるのか或いはネーミーング変えて権利化を図るべきなのかなどの対処を想定して出願することにより、事業戦略・経営判断上のリスクを把握しつつ登録の可能性を大きくできる方向に舵を切って事業を進めていくことができます。

 

 なお、NEXPATとしては、登録後に事業をスタート(商品・サービス提供)が好ましいと考えておりますが、少なくともプレス発表等の前に出願することにより、先願という地位を確保することも大事だと考えております。

 

 このような考えのもと、無事に登録できれば、攻撃を可能とする「矛」という武器を持つだけでなく、登録という事実の裏返しの見方として他社からの権利行使を受けてしまうリスクを極めて小さくできるという「盾」という防御を可能とする武器を持つことにもなるのです。
   

 ここまので記載で、できるだけ商品・サービスを提供する前に少なくとも出願を行うことが好ましいこと、また出願前に調査を行うことの重要性について触れさせて頂きました。

 

 しかしながら、経営者の方々が日々種々の問題での経営判断を迫られていることからすれば、スケジュールの問題、費用の問題、体制の問題等々の種々の事情で、それまでは出願していない場合であっても、事業が大きくなってきた或いは見込みが出てきた等の理由で、その後の必要性から商標出願を検討されることも多いのが実情だと思われます。

 

 そのため、実際の戦略となると、商標法単独の考え方で足りるものではなく、商標法と不正競争防止法・意匠法・著作権法との関係も考慮する知財戦略を構築する必要がありますが、早い段階で戦略を練れば練るほど選択肢が多く、適切な対策を取ることができるというのが知財戦略を構築する観点では重要な視点だと考えています。

 

 その戦略構築において、商標法を活用する意味で最も重要なのは、商標法による保護が永続的で、特許庁による登録により権利が発生して権利の存在や範囲ができるだけ客観化される方向であり、例えば不正競争防止法による保護と異なり、紛争が起きる前の予防的効果が得られるということだと考えています。

 

 このような観点に立ち、今までの経験を踏まえた上で、NEXPATからのここでの最後のアドバイスさせて頂く内容としての出願して権利化する意義は、特に、以下の点になります。

 

 @自社が権利化しないことで後に他社が出願・権利化して攻撃されるリスクを潜在的に生じさせてしまう点

 A自社が権利化することでたとえ他社によって既に権利化されている登録商標があっても先願先登録商標との類似関係も見る審査を経ていることから自社の商標が他社の登録商標の権利範囲外にあることが極めて高いという強力な「盾」という防御の武器を持つ点

 

 を考慮すると、紛争による処理にかかる時間の負担、費用の負担、精神的な負担というリーガルコストをできるだけ小さくできる、そして、売上を増加させて事業として積極果敢に前に進んでいくエネルギーのために力を注ぐための投資としては、御社が長年にわたり商標を使用してブランド戦略を進めていくとお考えであれば、投資効果としても十分な意味を感じられるのではないと考えています。

 

 なお、出願のご依頼を検討される場合には、 下記をお読みください。

 当事務所は、信頼関係を重視して、また当事務所のリソースを考慮ながらサービスのクオリティを維持するため、現時点ではご紹介によるサービス提供を原則としています。ご紹介がある場合には、最初のご相談については無料で対応させて頂いており、その際には料金等の説明もさせて頂いております。

 通常のご紹介の形としては当事務所と既に接点がある方からのご紹介を想定させて頂いておりますが、ご依頼を検討されている方のお知り合いの中には当事務所と接点がない或いは不明という場合もあるかと思います。その場合には、ご依頼を検討されている方がお付き合いされている弁護士・公認会計士・税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・土地家屋調査士・不動産鑑定士・中小企業診断士・技術士等の士業の先生にご相談ください。その先生からのご連絡を頂ければ(その先生による紹介状でも構いません)、面識等の当事務所との接点を問わずに、通常のご紹介として対応させて頂きます。